談合問題に対して、公正取引委員会が立入検査を行ったことで、疑心暗鬼の管理組合の方々も多く、多数相談が寄せられています。下の相談の一例から、対処方法をご紹介したいと思います。
2回目のマンション大規模修繕工事が控えており、計画中です。前回の大規模修繕工事がA社(談合の立入検査を受けた企業)で行っており、今回もA社に決定しようと修繕委員会が動いています。A社は立入検査を受けており、不安です。また、設計コンサルも前回と同じ。修繕委員会の代表的なメンバーも第1回の大規模修繕からずっと居座っているという状況です。何とか公正な工事を行いたいのですが、一区分所有者としてどんな取り組みが出来ますか?総会はこれから開催されます。
マンションの大規模修繕は、数億円単位の修繕積立金が動く極めて重要なプロジェクトです。ご相談をいただいた区分所有者の方が感じていらっしゃる「前回と同じ業者・コンサル・委員長」という固定化された構図は、透明性を欠き、管理組合の利益(=住民の資産)が損なわれるリスクがある、いわゆる「不適切コンサル問題」や「癒着」の典型的な懸念パターンです。
総会前であれば、まだ軌道修正のチャンスはあります。一区分所有者として、論理的かつ効果的に動くためのステップを整理しました。
感情的に「不安だ」と訴えるだけでは、推進派(修繕委員会)に押し切られてしまいます。まずは客観的な事実を集めます。
管理組合の役員の中で、唯一「業務執行を監査する」役割を持っているのが監事です。
理事会や修繕委員会に対し、書面(できれば内容証明や、総会で配布されることが確実な形)で公開質問状を送ります。
一人で声を上げると「クレーマー」扱いされる恐れがあります。
周知活動: 談合の事実や、癒着によるコスト高のリスクをまとめたチラシをポスティングしたり、近隣の住民と情報交換を行います。「私たちの積立金が、不透明な形で使われようとしている」という共通認識を作ることが重要です。
総会が開催された際、以下の行動が取れます。
国土交通省も注意喚起していますが、設計コンサルタントが特定の施工業者と裏でつながり、バックマージンを受け取る代わりに、その業者が選ばれるよう仕様書を操作するケースがあります。
個人の力で限界を感じたら、以下の公的な専門機関に相談してください。
最後に: 修繕委員会や理事が「ずっと同じメンバー」という硬直化した体制を打破するには、「透明性の確保」を大義名分に掲げるのが最も効果的です。ご自身の財産を守るため、まずは監事への相談や、志を同じくする居住者探しから始めてみてはいかがでしょうか。
修繕委員会や大規模修繕を取り仕切ろうとする区分所有者が「高圧的な」である場合、正論をぶつけるだけでは「反抗勢力」と見なされ、さらに態度を硬化させたり、村八分のような状態に追い込まれたりするリスクがあります。
こういったケースでは、「個人 vs 委員会」という構図を避け、「客観的なルール・社会的責任 vs 委員会」という構図にすり替えるのが定石です。
高圧的な態度をとる区分所有者は「俺たちが苦労してやってやっている」という自負が強いですが、「法的なリスク」や「資産価値の下落」という言葉には弱いものです。
強硬的な態度は、周囲が沈黙しているからこそ増長します。
「今のコンサルを変えろ」と言うと角が立ちますが、「チェック機能を外部に入れる」という提案は正当性があります。
強硬な人は、密室では強気ですが、「公的な記録」に残ることを嫌がります。
もし理事会が全く耳を貸さず、暴走している場合は、法的な手続きを検討します。
「私は反対しているわけではありません。ただ、『談合で調査を受けている業者を選んだ』という事実が中古売却時の重要事項説明などでマイナスに響き、マンション全体の資産価値が下がることを恐れています。全住民が納得できる説明資料を、委員会で作っていただけませんか?」
このように、「あなたの態度の問題ではなく、マンション全体の資産価値(お金)の問題である」という論理にすり替えてみてください。
修繕委員会のトップが長く居座っている場合、そこには「サンクコスト(これまでの苦労)」への執着があります。まずは監事(もし機能していれば)に、「コンプライアンス上の懸念」として書面を1枚入れるところから始めるのが、最も低リスクで効果的な一歩です。
今の段階で、他に相談できそうな住民の方は思い当たりますか?
前述しましたが、国土交通大臣指定の相談窓口として、住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター) https://www.chord.or.jp/ 【03-3556-5147 電話受付 10:00~17:00(土、日、祝休日、年末年始を除く)】があります。また、マンション管理士、弁護士や当団体などをセカンドオピニオンとして相談したり、顧問契約を結ぶなど、感情的ではない対応をすることをお勧めします。
本件に関する詳細やご相談は、当センターのウェブサイト(https://www.mansion-support.jp)
またはお電話(06-6630-0153)にて承っております。
一般社団法人マンション適正管理サポートセンター
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TEL: 06-6630-0153