近年、マンション業界では大規模修繕工事をめぐる設計コンサルタントの談合やバックマージン問題が大きく報道され、世間の注目を集めています。しかし、私たちが本当に警戒すべきなのは、数年に一度の大規模修繕だけではありません。
実は、エレベーターの改修や配電盤の更新といった「日々のスポット工事や設備更新」において、より巧妙かつ日常的にお金を抜き取るスキームがはびこっているのをご存知でしょうか。
「ずぶの素人」である管理組合と、「無関心」な区分所有者を手玉に取る、管理会社グループのビジネス構造の闇に迫ります。
なぜ、管理会社はあらゆる工事を「自社グループの工事会社」に請け負わせたがるのでしょうか。理由はシンプルです。そこに巨額の「中間マージン(紹介料・元請け経費)」が発生するからです。
多くの管理会社系列の工事会社は、自社でエレベーターを製造しているわけでも、配電盤を組み立てているわけでもありません。実際の工事は、既存の専門メーカーや下請け業者に「丸投げ」されます。
例えば、エレベーターの主要部品をすべて使い回す「制御盤の交換(パッケージ工事)」があるとします。専門業者に直接頼めば数百万円で済むような内容であっても、管理会社グループを1枚挟むだけで、「一式 2,000万円」といった、全撤去新設並みの破格の請求書に化けてしまうのです。
こうした歪んだ価格設定を指摘された際、管理会社が決まって口にする言い訳があります。
「私たちは総会資料で事前に金額も内容も説明しています。管理組合の皆様のご承認(議決)をいただいて進めるものですから、利益相反にはあたりません」
確かに法律や手続きの上では「説明義務を果たした」と言えるかもしれません。しかし、これは「形式的な手続きのクリア」であって、「誠実な顧客利益の保護」では断じてありません。
管理会社は、区分所有者が建築や設備の「ずぶの素人」であることを熟知しています。また、多くの住民が総会資料をろくに読まない「無関心」層であることも計算に入れています。
複雑な専門用語を並べ立て、「今決議しないと部品の納期が間に合わない」「これが標準的なパッケージです」と不安を煽れば、素人の管理組合など簡単に手玉に取れてしまう。これが彼らの必勝パターンなのです。
管理組合は、管理会社の「お抱えの代理人」ではありません。独立した「発注者」です。大切な修繕積立金を不当に搾取されないために、以下の2つの意識を持つ必要があります。
管理会社から提案された工事は、どんなに急かされても必ず「独立系の専門業者」や「製造メーカー」から直接、相見積もり(あいみつ)を取ってください。
「管理会社の見積もりはこれですが、御社ならいくらでできますか?」とぶっちゃけて他社にぶつけるだけで、数百万円、時には数千万円単位でコストが下がるケースは日常茶飯事です。
相見積もりを取ろうとした際、非協力的な態度を取ったり、嫌がらせのように管理委託費の値上げをチラつかせたりする管理会社は、顧客に対して不誠実極まりないと言えます。
そのような場合、管理組合が取るべき究極の防衛策は「管理会社の変更(リプレイス)」を視野に入れることです。
「今の管理会社に実権を握られているから変えられない」と思い込む必要はありません。関西圏をはじめ、現代のマンション管理業界には、誠実な独立系の管理会社や、より透明性の高いサポートを売りにする競合他社が数多く存在します。
管理会社グループによる搾取スキームが成立している最大の原因は、他でもない「住民の無関心」です。
「管理会社が言っているのだから間違いないだろう」「面倒だからお任せでいい」という妥協の代償は、すべて皆様が毎月納めている「修繕積立金」の枯渇、そして将来的な「一時金の徴収」や「積立金の値上げ」という形で、自分たちの身に跳ね返ってきます。
不誠実な管理会社に対して「NO」を突きつけ、場合によってはリプレイスの検討を始めること。それこそが、マンションという大切な資産と、自分たちの生活を守るための第一歩です。
手元に見積書、議案などあれば、当センターにお送りいただければ、妥当性を見ることも可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
本件に関する詳細やご相談は、当センターのウェブサイト(https://www.mansion-support.jp)
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