~区分所有法改正を受けた新たな管理のかたち~
令和7年、マンションを取り巻く法制度が大きく変わろうとしています。建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)をはじめ、マンションの再生・管理に関する複数の法改正が2024年(令和6年)5月に成立・公布され、これを受けて「マンション標準管理規約」の見直しが本格的に始まりました。
高経年マンションの増加、居住者の多様化、空き家問題や所有者不明問題など、マンションを取り巻く社会状況は年々複雑化しています。これらの変化に対応するため、標準管理規約の制度設計もまた進化が求められています。
今回の見直しは、区分所有法改正との整合性を保ちつつ、管理組合の運営実務に即した形で進められています。検討会には、法律の専門家や業界団体などからなる委員が参加し、国土交通省の主導で進行されています。
1. 総会決議のルールが変わる
従来、特別決議は「組合員および議決権の4分の3以上」が原則でしたが、今後は「出席者の4分の3以上」で決議可能とする方向で調整されています。これにより、再生や建替えといった重要な議案においても、実質的な意思決定がしやすくなると期待されています。
2. バリアフリー改修がしやすくなる
高齢者や障害者への配慮から、共用部分のバリアフリー化を進める際の決議要件が「4分の3」から「3分の2」に緩和される方針です。これにより、段差の解消やエレベーター設置といった改修がより実現しやすくなります。
3. 国内管理人制度の創設
海外に居住する所有者が増える中、国内に管理を委任できる「国内管理人」の制度が新設されます。この管理人は、総会の通知受領や議決権の行使、債務の履行等を担うことができます。
4. 所在不明者の扱いの明確化
所有者が不明な場合でも管理を円滑に進められるよう、総会決議から除外するための手続きが整備される見込みです。これにより、重要議案が“宙ぶらりん”になる事態の回避が図られます。
5. その他の論点
検討会では、令和7年9月末を目途に改正内容の公表が予定されています。管理組合や理事会にとっては、今後のガイドラインとなる新たな標準管理規約の動向を注視し、必要な見直しや準備を進めることが求められます。
マンションは、共に暮らす「小さな社会」です。改正標準管理規約は、そのルールブックとして、より実態に即した運営を後押しするものとなるでしょう。マンション適正管理サポートセンターでは、今後も改正の最新情報をお届けするとともに、管理組合の皆様の実務に即したサポートを続けてまいります。
参考文献:令和7年マンション関係法改正等に伴うマンション標準管理規約の見直しに関する検討会(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/r7kiyakukentou.html
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