コラム

コラム:令和7年マンション関係法改正 ― 9月5日時点の最新情報

~法改正の背景と必要性~

マンションは国民の1割以上が居住する重要な居住形態です。しかし、建物と居住者双方の高齢化が急速に進行しており、外壁剥落等による安全性の低下や、所有者不明・無関心層の増加により集会決議が困難化するなど、多様な課題が顕在化しています。築40年以上のマンションは現在約137万戸に達し、10年後には約2倍、20年後には約3.4倍に増加すると見込まれており、管理・再生の仕組み強化が急務となっています。

改正のポイント

令和7年5月30日に公布された「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律(法律第47号)」は、以下の点を柱としています

1. 管理の円滑化

  • 新築時からの管理計画引継ぎ制度:分譲事業者が管理計画を策定し、管理組合へ引き継ぐ仕組みを導入。
  • 集会決議の柔軟化:修繕等については「出席者多数決」で決議可能に。所在不明者は母数から除外。
  • 利益相反防止:管理業者が管理者を兼ねる場合、自己取引等の事前説明を義務化。
  • 財産管理制度の創設:管理不全区分や共用部分を裁判所選任の管理人が管理できる制度を導入。

2. 再生の円滑化

  • 新たな再生手法:一括売却、一棟リノベーション、取壊しを建替えと同様に多数決(4/5、条件付きで緩和)で可能に。
  • 合意形成促進:隣接地・底地権も権利変換の対象とし、容積率や高さ制限の特例を認める仕組みを整備。

3. 地方公共団体・民間団体の役割強化

  • 危険マンションへの勧告権限:外壁剥落等の危険がある場合、報告徴収・勧告・専門家のあっせんが可能に。
  • 民間団体登録制度:区分所有者の合意形成支援を行う団体を登録し、官民連携を推進。

施行スケジュール

  • 令和7年11月28日施行:一部の財産管理制度、危険マンションへの勧告等。
  • 令和8年4月1日施行:管理者制度、集会決議要件の変更、新たな再生手法。
  • 公布から2年以内:管理計画認定の拡充

今後の取組状況(9月5日時点)

国交省は改正法施行に向けて、以下の検討会を進めています

  • マンション標準管理規約見直し:決議要件や所在不明者除外、財産管理制度への対応、防災・喫煙ルール等を議論。
  • 令標準管理者事務委託契約書の策定:管理業者管理者方式に対応し、利益相反防止策や契約書標準化を進める。
  • 再生マニュアル改訂:新しい再生手法や非現地建替え、自主建替え等に対応したマニュアルを整備。

まとめ

今回の改正は「新築から老朽化・再生までのライフサイクル全体を見通した制度設計」であり、管理組合や区分所有者、地方自治体、そして民間団体まで幅広い主体に新たな役割を求めています。改正内容は段階的に施行されるため、各マンション管理組合においても早めの理解と準備が不可欠です。

当センターとしても、改正法の施行状況や関連ガイドラインの動向を随時フォローし、管理組合や居住者の皆様に分かりやすく情報を提供してまいります。

参考情報:今後のマンション政策のあり方に関する検討会(第12回)資料

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