コラム

コラム:法改正だけでは不十分 ― 管理組合リテラシーの向上が鍵

~法改正の背景と狙い~

令和7年5月に公布された改正マンション関係法(区分所有法・マンション管理法・マンション再生法等)は、老朽化マンションの急増と居住者の高齢化という「二つの老い」に対応するものです。決議要件の緩和や管理不全への財産管理制度の導入、一棟リノベーションなどの新しい再生手法の創設、地方公共団体や民間団体との連携強化など、実務に直結する改正が盛り込まれています

これらは、築40年以上のマンションが今後20年で3.4倍に膨れ上がるという現実を前に、国民の居住環境を守るための重要な制度整備です。

しかし「制度」があっても「実行力」が伴わない

ただし、制度がいくら整っても、実際に管理を担うのは各マンションの管理組合です。改正法は、所在不明者を母数から除外して意思決定を容易にする仕組みや、管理業者管理者方式における利益相反の透明化など、合意形成や適正管理を後押しする枠組みを提供しています。

しかし、これを活用できるかどうかは管理組合のリテラシー次第です。

  • 法改正の趣旨を理解しているか
  • 長期修繕計画や修繕積立金の必要性を把握しているか
  • 管理会社や設計コンサルタントを適切に選び、発注プロセスをチェックできるかこうした基本的な力がなければ、新制度も「絵に描いた餅」となりかねません。

管理組合リテラシーの重要性

検討会資料でも、管理組合役員の担い手不足や、無関心な区分所有者の存在が大きな課題として挙げられています。管理不全マンションへの対応や修繕積立金不足の是正も、制度だけでは解決できず、区分所有者一人ひとりの理解と参加が不可欠です。

つまり、法改正は「きっかけ」に過ぎず、実際にマンションを持続可能にするのは管理組合の判断力・実行力にほかなりません。

今後に向けて

これからのマンション管理には、制度の正しい理解と実践が求められます。そのために必要なのは、管理組合役員や居住者全体の「学び」と「意識改革」です。セミナーや勉強会への参加、専門家との連携を通じて、法制度を使いこなせる管理組合を育てていくことが、安心・安全な住環境を守る唯一の道といえます。

参考情報:今後のマンション政策のあり方に関する検討会(第12回)資料

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