コラム

【緊急コラム】公取委の排除措置命令が下る業者への対応

「うちのマンションも該当業者かも…」過去の工事や現在の契約に談合の不安を抱える管理組合が「今」とるべき行動

「今ニュースになっている修繕談合の件ですが、実はうちのマンションの大規模修繕も、名前が挙がっている設計監理会社にお願いしてしまったんです…」
公正取引委員会による排除措置命令の方針が報じられて、当マンション適正管理サポートセンターにも、こうした切実なご相談が急増しています。
自分たちの修繕積立金が不当に搾取されていたかもしれないとなれば、理事会や区分所有者の皆様が強い不安と憤りを感じるのは当然です。今回は、「過去に該当業者で工事をした」「今まさに契約中・施工中である」という管理組合が、取り乱さずに「今」とるべき具体的な対応策を解説します。

1. 今まさに「施工中」または「契約済・着工前」の場合

最もパニックになりやすいのがこのケースです。「今すぐ工事を止めさせたほうがいいのか?」「契約を破棄できるのか?」と焦るかもしれませんが、まずは冷静な対応が必要です。

・独断で急に工事を止めない

足場が組まれた状態や、防水工事の途中でいきなり工事をストップさせると、雨漏りなどの二次被害や安全上のリスクが生じます。まずは現状の安全確保が最優先です。

・「第三者の専門家」による緊急チェックを入れる

談合を主導していたのが「設計監理会社」である場合、現在行われている工事の品質チェック(監理)が正しく行われているか、極めて疑わしい状態です。手抜き工事を防ぐためにも、至急、利害関係のない別の建築士やマンション管理士に「セカンドオピニオン(工事のチェック)」を依頼することを強く推奨します。

・契約解除や支払い停止は「専門家と協議」してから

相手の違法行為を理由とした契約解除や、今後の工事代金の支払い停止については、法的な手続きを踏む必要があります。直接業者にぶつける前に、まずは弁護士などの専門家に相談してください。

2. 過去に工事が「完了」している場合

すでに工事が終わっている場合、工事そのものをやり直すことはできませんが、報道にあった「約40%もの不当な価格のつり上げ」の被害者となっている可能性が極めて高い状態です。
排除措置命令が正式に出された場合、対象企業には「被害に遭った発注者(管理組合)に違反の事実を通知すること」が義務付けられます。つまり、該当していれば業者側から「実は談合していました」という書面が届くはずです。

この場合、管理組合の最大の目標は「不当に支払わされた修繕積立金(損害金)を取り戻すこと」になります。

3. 管理組合が「今すぐ」準備すべき3つのこと

該当業者との契約時期を問わず、管理組合が直ちに行うべき自衛策は以下の3点です。

① 徹底的な「証拠保全(書類の確保)」

業者側が不都合な書類を隠滅する前に、手元にある関連資料をすべて確保・コピーしてください。

・当時の理事会・修繕委員会の「議事録」(業者の選定経緯がわかるもの)

・設計監理会社からの「提案書」「見積書」

・施工業者からの「入札書類」「内訳書」「契約書」

・管理会社からのアドバイスや推薦があった場合は、その記録

② 「損害賠償請求」へ向けた弁護士等への相談

談合(独占禁止法違反)によって不当に高く工事を発注させられた場合、管理組合は業者に対して損害賠償請求を行うことができます。通常、談合の証明は非常に困難ですが、公取委の「排除措置命令」が出た案件については、国が違反を認定しているため、裁判等で損害賠償が認められやすいという大きな強みがあります。早急に、建築・不動産トラブルに強い弁護士に相談する準備を始めましょう。

③ 管理会社の「関与」の再検証

問題の設計監理会社を連れてきたのは誰だったでしょうか? もし管理会社が強く推薦・誘導していた場合、管理会社の責任(善管注意義務違反など)が問える可能性もゼロではありません。今後の管理委託契約のあり方自体を見直すきっかけにすべきです。

最後に:泣き寝入りする必要はありません

「もう終わってしまったことだから…」「素人の集まりである理事会ではどうせ太刀打ちできない…」と諦める必要はありません。皆様は、悪質なプロの手口によって騙された「被害者」です。
しかし、相手もあの手この手で責任逃れを図ってくることが予想されます。決して管理組合(理事会)だけで直接交渉しようとせず、必ず法律や建築の専門家である弁護士、マンション管理士、建築士などを味方につけてください。
必要とあれば、当センターにご連絡いただければ、状況整理のアドバイスをさせていただきます。

本件に関する詳細やご相談は、当センターのウェブサイト(https://www.mansion-support.jp
またはお電話(06-6630-0153)にて承っております。

一般社団法人マンション適正管理サポートセンター
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